売主に専門知識がない場合、基本的には不動産売却仲介を選択することになります。
この記事では、不動産売却仲介の概要を解説するとともに、かかる費用の計算方法、媒介契約の種類を解説します。
以下の記事を参考にすれば、不動産仲介売却の進め方を理解できます。
不動産売却仲介の概要とかかる費用の計算方法
不動産売却仲介は不動産売却の方法です。具体的には、売主と買主の間に不動産会社を入れて、売買契約を成立させることを指します。不動産会社の主な業務は、物件の販売活動・売買契約内容の調整・売買契約書の作成・重要事項の説明などです。ちなみに、仲介を媒介ということもあります。
不動産会社に仲介を依頼して売買が成立すると、仲介手数料がかかります。
仲介手数料の上限は売買価格で異なります。
200万円以下は「売買価格×5%」
200万円超400万円以下は「売買価格×4%+2万円」
400万円超は「売買価格×3%+6万円」
が上限になります。
媒介契約の種類
不動産会社に仲介を依頼する場合、媒介契約を締結します。
媒介契約は、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約にわかれます。
それぞれの特徴は異なるため、内容を理解してから締結することが重要です。
一般媒介契約
一般媒介契約は、同時に複数の不動産会社と契約できるうえ、自己発見取引も可能な媒介契約です。
ただし、不動産会社は売主への報告義務・指定流通機構(レインズ)への物件登録義務を負いません。
契約の有効期間に定めがない点もポイントです。
専任媒介契約
専任媒介契約は、当該不動産会社にしか仲介を依頼できない媒介契約です。
ただし、自己発見取引は許可されています。
売主への報告義務は「2週間に1回以上」、指定流通機構(レインズ)への物件登録は
契約日から7日以内」、契約の有効期間は3カ月以内となっています。
専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、当該不動産会社にしか仲介を依頼できないうえ、
自己発見取引が認められない媒介契約です。
売主への報告義務は「1週間に1回以上」、指定流通機構(レインズ)への物件登録は
「契約日から5日以内」、契約の有効期間は3カ月以内となっています。
媒介契約のメリット・デメリット
各媒介契約の概要は以上の通りです。
続いて、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
一般媒介契約の魅力は、複数の不動産会社に仲介を依頼できることです。
幅広い買主候補へアプローチできます。また、各業者間で働く競争原理により、積極的な販売活動も期待できます。
ただし、売主に対する報告義務はないため、実際の販売状況を把握することは難しくなります。
また、競合他社に契約をとられる恐れがあるため、販売活動を積極的に行わない
不動産会社が現れる点にも注意が必要です。
専任媒介契約の魅力は、販売活動に注力してもらいやすいことです。
2週間に1回以上のペースで、販売状況を把握できる点も見逃せません。
ただし、不動産会社1社としか契約できないため、相性が悪いと
期待通りの結果を得られないことがあります。
また、競合他社を意識する必要がないことで、依頼した不動産会社の
ペースになってしまう点にも注意が必要です。
専属専任媒介契約の魅力は、競合他社に契約をとられる恐れがないうえ、
自己発見取引も禁止されるため、不動産会社が販売活動に専念しやすいことです。
広告費をかけた積極的な販売活動を期待できます。
週に1回以上のペースで報告があるため、現状を把握しやすい点も魅力です。
ただし、販売活動の結果は、不動産会社の能力や意欲次第になってしまいます。
また、自分で買主を見つけた場合も、不動産会社を介した取引になる点にも注意が必要です。
まとめ
不動産売却の仲介を不動産会社に依頼すると、3種類の媒介契約の中から
1つを選択し契約を締結することになります。
媒介契約の特徴はそれぞれ異なるので
物件の特徴などを踏まえたうえで選択することが重要です。
人気物件は幅広い買主にアプローチできる一般媒介契約、
できるだけ早く売却したい物件は専任媒介契約、専属専任媒介契約が
向いていると考えられます。
以上を参考に、不動産売却時の媒介契約を選択してみてください。