アパートを売却する際、「いくらで売れるのか?」「高く売るにはどうすればいいのか?」と悩む方は多いでしょう。
売却価格は立地や築年数、入居率などの要因によって変動し、適切な売却戦略が必要です。
本記事では、アパートの相場の調べ方や価格を上げるポイント、売却時の注意点まで詳しく解説します。
さらに、不動産会社の選び方や税金対策のポイントも紹介します。
事前に知っておくべき情報を押さえておけば、より有利な条件で売却が可能です。
アパート売却を成功させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
アパート売却価格の相場とは
アパートを売却する際に「どのくらいの価格で売れるのか?」という相場感を知ることはとても重要です。
売却価格の相場は、物件の立地や築年数、構造といった要素によって大きく変わります。
ここでは、地域別・築年数別・構造別の観点から、アパートの売却価格の相場について詳しく解説します。
地域別の売却相場
アパートの売却価格は、立地条件によって大きく異なります。
一般的に、都市部や交通の便が良いエリアでは賃貸需要が高く、それに伴い売却価格も高くなります。
一方で、地方や郊外では需要が少なく、価格が低くなりがちです。
例えば、東京都心の駅近アパートは1億円を超えることも珍しくありませんが、
地方都市では同じ規模のアパートでも数千万円になることもあります。
また、同じ都内でも、渋谷や新宿といった人気エリアと郊外のエリアでは、大きな価格差が生じます。
このため、売却を検討する際は、自分のアパートがある地域の相場を
しっかりと把握することが重要です。
相場を知るには、不動産取引情報サイトや国土交通省の「地価公示」などを参考にするとよいでしょう。
築年数別の売却相場
アパートは、築年数が経過するほど売却価格が下がる傾向にあります。
これは、建物の劣化に伴い資産価値が減少し、リフォーム費用がかかる可能性があるためです。
一般的な価格の推移は、築10年までは比較的高値を維持し、その後徐々に価格が下がるという傾向があります。
特に築20年を超えると、売却価格は大きく下がり、築30年を超えると建物の価値よりも
土地の価値のほうが重視されるようになります。
しかし、築年数が古くても入居率が高く、安定した収益を生み出しているアパートであれば、
一定の価格を維持できることもあります。
また、適切にリフォームやメンテナンスを行い、建物の状態を良好に保っていれば、
築年数が経っていても高値で売却できるケースもあります。
構造別の売却相場
アパートの売却価格は、建物の構造によっても変わります。
主に以下の3つの構造があり、それぞれの特徴によって相場が異なります。
- 木造アパート
木造アパートは建築コストが低いため、初期投資は抑えられますが、耐用年数が短く、築年数が経つと売却価格が大きく下がる傾向にあります。一般的に、築20年を超えると市場価値が大幅に低下し、土地価格に近づくことが多いです。しかし、立地が良く、安定した賃貸収入が得られる場合は、一定の価格で売却できる可能性もあります。 - 鉄骨造アパート
鉄骨造は、木造に比べて耐久性が高く、耐用年数も長いため、築年数が経過しても比較的価格が下がりにくい特徴があります。特に、耐震性能の高い物件は、長期的に価値を維持しやすいです。売却価格は立地や築年数にもよりますが、木造よりも高値で取引される傾向にあります。 - RC造(鉄筋コンクリート造)アパート
RC造のアパートは、最も耐久性が高く、資産価値が落ちにくい特徴があります。そのため、築20~30年経過しても、一定の売却価格を維持できることが多いです。ただし、RC造は建築コストが高いため、売却価格も高額になる傾向があります。その分、買い手が限られるため、売却に時間がかかる場合もあります。
このように、アパートの売却価格は、地域・築年数・構造によって大きく変わるため、
自分の物件がどのような特徴を持つのかを理解し、市場の動向を踏まえて売却のタイミングを
見極めることが大切です。
アパート売却価格に影響を与える要因
アパートの売却価格は、さまざまな要因によって変動します。
売主としては、できるだけ高値で売却したいと考えるものですが、
価格を左右する要素を理解し、事前に対策を講じることで、
より有利な条件で売却することが可能になります。
特に、
「立地条件」
「入居率」
「共用部分の管理状況」
「経済状況」
の4つは、売却価格に大きな影響を与えるため、
しっかりと把握しておくことが重要です。
立地条件
アパートの価値を決定する最大の要因の一つが「立地条件」です。
どんなに建物が立派でも、立地が悪いと買い手がつきにくくなり、価格も下がる傾向にあります。
特に以下の要素が影響を与えます。
- 駅からの距離
駅に近いアパートは、通勤・通学に便利で人気が高いため、売却価格も高くなります。
一般的には、徒歩10分圏内のアパートは需要が高く、価格も安定しやすいです。 - 商業施設や生活環境
近くにスーパーやコンビニ、病院、学校などの生活インフラが充実していると、
入居者の確保がしやすく、売却価格も高くなる傾向があります。
逆に、生活環境が不便な場所では、価格が下がりやすくなります。 - 地域の将来性
再開発が進んでいるエリアや、企業の誘致が活発な地域では、
将来的に人口が増え、不動産価値が上がる可能性があります。
例えば、新しい駅や商業施設ができる予定の地域では、
アパートの売却価格も高くなることが期待できます。
このように、立地条件の良し悪しは、売却価格に直結するため、
事前に地域の相場や将来性を調査することが重要です。
入居率
アパートの入居率も、売却価格を左右する大きな要因です。
なぜなら、アパートの買主(投資家)は、購入後の家賃収入を重視するため、
空室が多い物件はリスクが高く、価格が下がりやすいからです。
具体的には、以下のポイントが影響します。
- 空室率の低さが価格を上げる
入居率が高いアパートは、安定した収益が見込めるため、投資家にとって魅力的な物件となります。
逆に、空室が多いと「この物件は人気がないのでは?」と敬遠され、売却価格が下がる原因になります。 - 長期入居者が多いと評価が上がる
住民の入れ替わりが激しいアパートよりも、長期入居者が多いアパートのほうが、
安定した家賃収入が期待できるため、売却価格が高くなりやすいです。 - 家賃の適正価格設定が重要
家賃が相場よりも高すぎると空室率が上がり、売却価格にも悪影響を与えます。
逆に、適正な家賃設定を行い、安定した入居率を維持できれば、高値で売却しやすくなります。
売却を考えている場合、事前に空室を埋める対策を行い、
入居率を高めることが価格アップにつながるので、対策を検討しましょう。
共用部分の管理状況
アパートの共用部分の管理状態も、売却価格に影響します。
建物の外観や共用設備の状態が悪いと、買主の印象が悪くなり、価格交渉の際に不利になりがちです。
主に、以下の点に注意しましょう。
- エントランスや廊下の清潔感
エントランスや廊下が汚れていたり、郵便受けが乱雑になっていたりすると、
管理が行き届いていない印象を与えてしまいます。
日常的な清掃を行い、常に清潔な状態を維持することが大切です。 - 外壁や屋根の劣化状況
外壁のひび割れや塗装の剥がれ、屋根の老朽化が目立つと、
建物の価値が下がるだけでなく、買主が「修繕費がかかりそう」と判断し、
売却価格が下がる可能性があります。
可能であれば、売却前に最低限の補修を行うのも有効です。 - 設備のメンテナンス
エレベーターや給排水設備、駐車場などの管理状況も重要です。
定期的なメンテナンスが行われていると、アパート全体の資産価値が維持され、売却時にプラス評価されます。
共用部分が適切に管理されているアパートは、買主にとって安心感があり、
価格交渉でも有利に進められるため、売却前にチェックしておきましょう。
経済状況
アパートの売却価格は、経済状況の影響も受けます。
景気が良い時期と悪い時期では、不動産市場の動向が変わり、それが売却価格にも反映されます。
- 金利の影響
住宅ローンや不動産投資ローンの金利が低いと、投資家が購入しやすくなり、アパートの需要が高まります。
その結果、売却価格も上昇しやすくなります。
一方で、金利が上昇すると借入コストが増え、買い手が減少し、売却価格が下がることがあります。 - 不動産市場の動向
景気が良い時期は、不動産価格が上昇し、売却価格も高くなります。
しかし、景気が悪化すると不動産需要が低下し、売却価格も下がる可能性があります。
市場の動きを把握し、できるだけ良いタイミングで売却することが重要です。 - 人口動態の変化
人口が増えている地域では、賃貸需要が高まるため、アパートの価値も上がります。
逆に、人口減少が進む地域では、空室リスクが高まり、売却価格も低下しやすくなります。
このように、経済状況や市場の動向を見極めることで、売却のタイミングを適切に判断しやすくなります。
特に、金利の動きや不動産市場のトレンドには注意を払いましょう。
アパートの売却価格を左右する要因は多岐にわたりますが、「立地条件」「入居率」「共用部分の管理」「経済状況」を総合的に考慮することで、より良い条件で売却することが可能です。売却を成功させるためには、これらの要因を理解し、適切な対策を講じることが重要です。
アパート売却価格の調べ方
アパートを売却する際には、まず適正な価格を把握することが重要です。
適正価格を知らないまま売り出すと、相場よりも安く売却して損をしたり、
高く設定しすぎて売れ残ったりするリスクがあります。
売却価格を調べる方法はいくつかありますが、
特に
「収益還元法」
「取引事例比較法」
「公的な地価情報」
「不動産一括査定サイト」
の4つの方法が一般的です。
これらの方法を活用し、適正な価格を見極めることで、
より有利な条件で売却を進めることができます。
収益還元法の活用
収益還元法とは、アパートの収益性に基づいて価値を算出する方法です。
投資物件としての価値を判断する際によく使われる手法で、
特に投資家向けの売却を考えている場合に有効です。
収益還元法には、以下の2種類があります。
- 直接還元法
1年間の家賃収入から、管理費や固定資産税などの経費を差し引き、
純利益(ネット利回り)を算出し、その利益を基にアパートの価格を決定します。
計算式:アパートの価値 = 純利益 ÷ 還元利回り(想定利回り)
例えば、年間の純利益が300万円で、還元利回りが5%(0.05)の場合、
アパートの価値は 300万円 ÷ 0.05 = 6,000万円 となります。 - DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)
将来的に得られる家賃収入を現在価値に換算し、物件価格を求める方法です。
より詳細な評価が可能ですが、専門的な知識が必要なため、不動産会社や投資家が主に活用します。
収益還元法は、アパートの稼ぐ力を基に評価するため、賃貸需要が高いエリアでは
有利な価格がつきやすいのが特徴です。
取引事例比較法の利用
取引事例比較法とは、過去に売却された類似物件の価格を参考にして、
アパートの価値を算出する方法です。
一般的な不動産売却の際に広く用いられています。
取引事例比較法のポイント
- 類似物件の条件を確認する
立地・築年数・構造・間取り・土地の広さなど、できるだけ自分のアパートに
近い条件の売却事例を調べることが重要です。
例えば、同じエリアの同じ築年数のアパートが5,000万円で
売却されていれば、自分のアパートも同程度の価格になる可能性が高いです。 - 売却価格の傾向を分析する
最近の取引価格が上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのかを調べることで、
売却のタイミングを判断することができます。
取引事例比較法は、市場の相場を知るうえで最も分かりやすく、
一般の売主でも活用しやすい方法です。
不動産会社が査定を行う際にも、この方法がよく用いられます。
公的な地価情報の参照
アパートの売却価格を調べる際には、公的な地価情報を活用するのも有効です。
特に、土地の価値を正しく把握することで、適正な売却価格を見極めることができます。
参考にできる地価情報
- 地価公示(国土交通省)
毎年3月に公表される公的な地価情報で、全国の主要地点の土地価格が確認できます。 - 都道府県地価調査
各都道府県が毎年9月に公表する土地価格のデータ。
地価公示と併せて活用すると、より正確な価格が把握できます。 - 固定資産税評価額
市区町村が決定する土地の評価額で、固定資産税の計算基準になります。
実際の売却価格とは異なりますが、参考として活用できます。
公的な地価情報は、土地の価格の目安を知るのに適しているため、
特に築年数の古いアパートや、土地の価値が重視される場合に有効です。
不動産一括査定サイトの活用
不動産一括査定サイトを利用すると、複数の不動産会社から査定を受けられるため、
相場価格を効率的に把握することができます。
不動産一括査定サイトを活用するメリット
- 複数の査定結果を比較できる
1つの不動産会社だけでなく、複数の会社の査定結果を比較することで、
適正な価格を見極めることができる。 - 売却価格の幅を把握できる
査定結果には「高めに査定する会社」「低めに査定する会社」があるため、
平均値をとることで相場感をつかむことが可能です。 - 手軽に相場を調べられる
インターネット上で簡単に査定依頼ができるため、
時間をかけずに売却価格を知ることができる。
一方で、査定価格はあくまで参考値であり、実際の売却価格とは
異なることもあるため注意が必要です。
複数の査定結果をもとに、他の調査方法と組み合わせて判断するのがベストです。
アパートの売却価格を調べる方法は複数ありますが、それぞれに特徴があるため、
1つの方法に頼るのではなく、複数の手法を組み合わせることが重要です。
収益還元法や取引事例比較法で価格を算出し、公的な地価情報で裏付けを取り、
さらに不動産一括査定サイトを活用することで、より正確な売却価格を把握することができます。
アパートを高く売るためのポイント
アパートを売却する際に、「できるだけ高く売りたい」と考えるのは当然です。
しかし、売却価格は単に市場の相場によって決まるのではなく、売主の工夫次第で大きく変わります。
特に重要なのは、
「入居率の向上」
「建物や設備のメンテナンス」
「売却のタイミングを見極める」
「収益物件の取扱いに慣れた不動産会社への依頼」
の4つのポイントです。
これらの対策を講じることで、売却価格の最大化を目指しましょう。
入居率の向上
アパートの売却価格に大きく影響するのが「入居率」です。
投資家にとって、アパートは家賃収入を生み出す資産です。
そのため、空室が多い物件は敬遠されやすく、価格も低くなりがちです。
反対に、満室に近い状態であれば、安定した収益が見込めるため、高値で売却しやすくなります。
入居率を向上させるための対策
- 家賃の適正化
近隣の相場よりも家賃が高すぎると、空室が発生しやすくなります。
市場の家賃相場を調査し、適正価格に調整することで、入居率を上げることが可能です。 - ターゲット層に合わせた設備投資
例えば、単身者向けならWi-Fi完備、ファミリー向けなら宅配ボックスの設置など、
ターゲット層に合わせた設備投資を行うと、入居者の満足度が向上し、空室リスクを低減できます。 - 広告の強化
不動産仲介会社に積極的に広告を依頼し、物件の露出を増やすことも効果的です。
特に、写真のクオリティを上げたり、物件の魅力を強調するキャッチコピーを
つけたりすることで、入居希望者の目に留まりやすくなります。
入居率が高ければ、投資家が魅力を感じやすく、より高値で売却できる可能性が高まります。
建物や設備のメンテナンス
アパートの外観や設備の状態も、売却価格に大きく影響します。
見た目が古びている物件は、買主に「追加の修繕費用がかかる」
と思われ、価格交渉で不利になりやすいからです。
メンテナンスで高値売却につなげるポイント
- 外壁や共用部分の修繕
アパートの外壁が汚れていたり、ひび割れが目立ったりすると、建物全体の印象が悪くなります。
最低限の外壁塗装やクリーニングを行うだけでも、見た目が改善され、売却価格アップにつながります。 - 水回りや電気設備の点検
給湯器やエアコン、トイレなどの設備が老朽化している場合、
買主が修理費用を考慮して値引きを求める可能性があります。
売却前に点検・交換を行うことで、スムーズな売却につながります。 - 定期清掃の実施
ゴミ置き場や共用廊下が汚れていると、それだけで
「管理が行き届いていない」という印象を与えてしまいます。
売却前には徹底的に清掃を行い、清潔感のある状態を保ちましょう。
メンテナンスを適切に行うことで、物件の印象が良くなり、
買主に安心感を与えることができます。
結果として、値引きを抑え、高値で売却することが可能になります。
売却のタイミングを見極める
アパートの売却価格は、市場の動向や経済状況に大きく左右されます。
そのため、できるだけ高値で売却するためには、売却のタイミングを見極めることが重要です。
売却のベストタイミングを判断するポイント
- 不動産市場が活発な時期を狙う
一般的に、金利が低い時期は不動産投資が活発になり、
アパートの売却価格も高くなりやすいです。
逆に、金利が上昇すると投資家の購入意欲が低下し、
価格も下がる傾向があります。 - 年度末・年度始めを意識する
3月・4月は転勤や進学の影響で引っ越しが増える時期です。
この時期に向けてアパートを売却すると、買主が入居者を確保しやすく、
良い条件で売れる可能性があります。 - 景気の影響を考慮する
景気が好調なときは、不動産投資への資金が流れやすく、価格も上がりやすいです。
逆に、不況時には買い手が減少し、価格が下がる可能性があるため注意が必要です。
タイミングを見極めることで、より良い条件で売却することが可能になります。
収益物件の取扱いに慣れた不動産会社への依頼
アパートの売却を成功させるためには、収益物件の売却に強い不動産会社を選ぶことが重要です。
なぜなら、一般の住宅を扱う会社と、投資用不動産を扱う会社では、
買主のターゲットや売却戦略が大きく異なるからです。
不動産会社選びのポイント
- 投資家向けのネットワークを持っているか
収益物件専門の不動産会社は、投資家とのコネクションがあり、
早期に買い手を見つけやすいというメリットがあります。 - 実績が豊富かどうか
過去にどれだけアパート売却を手がけてきたかも重要なポイントです。
実績のある会社ほど、適切な価格設定や売却戦略を立てやすくなります。 - 売却活動の手法が適切か
購入希望者へのPR方法(広告の出し方、物件の魅力の伝え方)によって、
売却スピードや価格に差が出ます。
売却実績を確認し、戦略的に売却を進められる会社を選びましょう。
適切な不動産会社を選ぶことで、売却価格を最大限に引き上げることができます。
高値で売却するためには、入居率の向上、建物のメンテナンス、
タイミングの見極め、専門の不動産会社の選定が鍵を握ります。
これらのポイントを押さえることで、アパートの売却を
成功へと導くことができるでしょう。
アパート売却時の注意点
アパートを売却する際には、価格だけでなく、売却に関わる費用や
手続きについてもしっかりと把握しておく必要があります。
思わぬ費用負担が発生したり、必要な書類が揃っておらず手続きが
遅れたりすると、スムーズな売却が難しくなることがあります。
特に注意すべきポイントとして、
「売却にかかる費用の把握」
「必要書類の準備」
「ローン残債の確認」
「税金(譲渡所得税など)の確認」
の4つがあります。
これらを事前にチェックし、売却の計画を立てることが重要です。
売却にかかる費用の把握
アパートを売却する際には、売却価格=手元に残る金額ではない ことを理解しておく必要があります。
売却時にはさまざまな費用が発生するため、あらかじめ必要な金額を計算しておくことが大切です。
主な売却費用
- 仲介手数料
不動産会社に売却を依頼する場合、成功報酬として仲介手数料が発生します。
一般的な計算式は以下のとおりです。
仲介手数料 = 売却価格 × 3% + 6万円(+消費税)
例えば、5,000万円でアパートを売却した場合、
仲介手数料は約171.6万円(消費税10%込み)になります。 - 抵当権抹消費用
住宅ローンが残っている場合、売却時に抵当権を抹消する手続きが必要になります。
司法書士に依頼すると1~3万円程度の費用がかかります。 - 測量費用(必要な場合)
土地の境界が不明確な場合、土地の測量が必要になることがあります。
費用は30万円~100万円程度かかることもあります。 - 譲渡所得税や住民税(後述)
売却によって利益(譲渡所得)が発生すると、税金を支払う必要があります。
計算方法や税率については後述します。 - 売却後に思わぬ出費が発生しないように、事前に必要な費用をリストアップし、
売却後に手元に残る金額を正しく把握しておくことが大切です。
必要書類の準備
アパートを売却するには、さまざまな書類が必要になります。
書類の準備が遅れると、契約や引き渡しがスムーズに進まない可能性があるため、
事前に揃えておくことが重要です。
売却時に必要な主な書類
- 登記済証(権利証)または登記識別情報
売主がアパートの所有者であることを証明する重要な書類です。 - 固定資産税納税通知書
固定資産税の金額を確認するために必要です。
売却時には買主と固定資産税の精算を行います。 - 建築確認済証・検査済証
建物が適法に建築されていることを証明する書類です。 - 賃貸借契約書(入居者がいる場合)
入居者がいる場合、買主にとっては賃貸条件が重要なため、契約書の提出が求められます。 - 管理規約・重要事項説明書(マンションの場合)
分譲マンションタイプのアパートでは、管理規約や重要事項説明書が必要になります。
書類の不備があると、買主との契約がスムーズに進まなくなるため、
事前に必要書類をリストアップし、不動産会社と相談しながら準備を進めると安心です。
ローン残債の確認
アパートを売却する際に住宅ローンが残っている場合は、
売却額でローンを完済できるかどうか確認することが重要です。
ローン残債を確認するポイント
- 現在のローン残高を把握する
金融機関から「ローン残高証明書」を取り寄せ、現在のローン残高を確認しましょう。 - 売却価格とローン残高の比較
- 売却価格がローン残高を上回る場合 → 売却後にローンを完済し、残った金額を手元に残すことができます。
- 売却価格がローン残高を下回る場合 → 売却時に不足分を自己資金で補填する必要があります。
- 抵当権の抹消手続き
ローンを完済すると、金融機関の抵当権を抹消する必要があります。
この手続きは、司法書士に依頼することが一般的です。
ローン残高を把握せずに売却を進めると、思わぬ損失が発生する可能性があるため、
早めに金融機関と相談し、適切な計画を立てることが大切です。
税金(譲渡所得税など)の確認
アパートを売却して利益が出た場合、譲渡所得税や住民税が発生する可能性があります。
税金の負担を事前に把握し、納税計画を立てることが重要です。
譲渡所得税の計算方法
譲渡所得(課税対象額)は、以下の式で計算されます。
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費+譲渡費用)
- 取得費 … アパートの購入価格や、購入時にかかった諸費用。
- 譲渡費用 … 仲介手数料、測量費用、解体費用など。
税率の違い(所有期間による変動)
所有期間 | 譲渡所得税 + 住民税 + 復興特別所得税 |
---|---|
5年以下(短期譲渡) | 約39.63% |
5年以上(長期譲渡) | 約20.315% |
所有期間が5年を超えると税率が半分程度に抑えられるため、売却のタイミングを調整することで税負担を軽減できます。
また、売却益が出ても、一定の条件を満たせば控除や特例が適用されることもあるため、
事前に税理士や不動産会社に相談すると良いでしょう。
アパートの売却では、費用・書類・ローン・税金の4つをしっかり確認しておくことが重要です。
これらを事前に把握することで、スムーズな売却が可能になり、予期せぬ出費やトラブルを防ぐことができます。
まとめ
アパートを高く売却するためには、相場を正しく把握し、適切な準備を行うことが重要です。
価格は「立地」「築年数」「入居率」などの要因に左右されるため、事前に市場調査を行いましょう。
売却価格を決める際は、「収益還元法」や「取引事例比較法」を活用し、不動産一括査定サイトで相場を確認するのも有効です。高値で売るには、入居率を上げ、メンテナンスを行い、売却のタイミングを見極めることがポイントです。
また、売却には仲介手数料や税金などの費用が発生するため、事前に確認し、必要書類を準備することが大切です。
適切な計画を立て、収益物件の取扱いに強い不動産会社に依頼すれば、スムーズな売却が可能になります。